JavaScript は、必要に応じていつでもサーバへリクエストを送信し、新しい情報を読み込むことができます。
例えば、次のようなことができます:
- 注文を送信する
- ユーザ情報を読み込む
- サーバから最新の更新情報を受け取る
- …など
…そしてこれらはすべてページをリロードすることなく行うことができます。
それを表す包括的な用語 “AJAX” (Asynchronous Javascript And Xml)があります。XML を使う必要はありません: この用語は昔から来ています。
ネットワークリクエストを送信し、サーバから情報を取得するための様々な方法があります。
fetch()
メソッドはモダンで多目的に利用できるため、これから始めましょう。fetch
は数年間進化と改善を続けています。今のところサポートはブラウザの間でとてもしっかりしています。
基本構文は次の通りです:
let promise = fetch(url, [options])
url
– アクセスする URLoptions
– オプションのパラメータ: メソッドやヘッダなど
ブラウザはすぐにリクエストを開始し、promise
を返します。
レスポンスの取得は通常2段階のプロセスになります。
promise
は、サーバがヘッダを応答するとすぐに組み込みの Response クラスのオブジェクトで resolve します。
そのため、HTTP ステータスをチェックすることで、リクエストが成功したのか失敗したのかを確認したり、ヘッダをチェックすることができます。が、まだ本文は持っていません。
promise は fetch
が HTTP リクエストを作るすることができなかった場合、例えば ネットワークの問題やそのようなサイトがない場合に reject します。404 や 500 のような HTTP エラーも通常のフローとみなされます。
レスポンスのプロパティでそれらを確認することができます。:
ok
– boolean, HTTP ステータスコードが 200-299 の場合true
です。status
– HTTP ステータスコード.
例:
let response = await fetch(url);
if (response.ok) { // HTTP ステータスが 200-299 の場合
// レスポンスの本文を取得(後述)
let json = await response.json();
} else {
alert("HTTP-Error: " + response.status);
}
レスポンスの本文を取得するには、追加のメソッド呼び出しが必要です。
Response
は様々な形式で本文にアクセスするための、複数の promise ベースのメソッドを提供しています。:
response.json()
– レスポンスを JSON オブジェクトとしてパースしますresponse.text()
– レスポンスをテキストとして返しますresponse.formData()
– FormData オブジェクト(form/multipart encoding) として返します,response.blob()
– Blob (型付きのバイナリデータ) としてレスポンスを返します,response.arrayBuffer()
– ArrayBuffer (純粋なバイナリデータ) としてレスポンスを返します,- 加えて,
response.body
は ReadableStream オブジェクトで、本文をチャンク毎に読むことができます。後ほど例を見ていきましょう。
例えば、ここでは Github から最新のコミットの JSON オブジェクトを取得します。:
let response = await fetch('https://api.github.com/repos/javascript-tutorial/en.javascript.info/commits');
let commits = await response.json(); // レスポンスの本文を読み JSON としてパースする
alert(commits[0].author.login);
もしくは、純粋な promise 構文を使用した場合は次のようになります:
fetch('https://api.github.com/repos/javascript-tutorial/en.javascript.info/commits')
.then(response => response.json())
.then(commits => alert(commits[0].author.login));
テキストを取得するには:
let response = await fetch('https://api.github.com/repos/javascript-tutorial/en.javascript.info/commits');
let text = await response.text(); // レスポンスボディをテキストとして読む
alert(text.slice(0, 80) + '...');
また、バイナリの例では、画像を取得して表示してみましょう(blob に対する操作の詳細については、チャプター Blob を参照してください)。:
let response = await fetch('/article/fetch/logo-fetch.svg');
let blob = await response.blob(); // Blob オブジェクトとしてダウンロード
// <img> を作成
let img = document.createElement('img');
img.style = 'position:fixed;top:10px;left:10px;width:100px';
document.body.append(img);
// 表示
img.src = URL.createObjectURL(blob);
setTimeout(() => { // 3秒後に隠す
img.remove();
URL.revokeObjectURL(img.src);
}, 3000);
本文のパース方法は1つだけ選ぶことができます。
もし response.text()
でレスポンスを取得した後、response.json()
は動作しません。本文のコンテンツは既に処理されているためです。
let text = await response.text(); // 本文を返す
let parsed = await response.json(); // 失敗 (既に本文は処理済み)
Headers
response.headers
には、Mapライクなヘッダオブジェクトがあります。
個々のヘッダを取得したり、それらをイテレートすることができます。
let response = await fetch('https://api.github.com/repos/javascript-tutorial/en.javascript.info/commits');
// ヘッダを1つ取得
alert(response.headers.get('Content-Type')); // application/json; charset=utf-8
// すべてのヘッダをイテレート
for (let [key, value] of response.headers) {
alert(`${key} = ${value}`);
}
ヘッダを設定するには、次のように headers
オプションを使用します:
let response = fetch(protectedUrl, {
headers: {
Authentication: 'abcdef'
}
});
…しかし、設定できない 禁止された HTTP ヘッダ のリストがあります。:
Accept-Charset
,Accept-Encoding
Access-Control-Request-Headers
Access-Control-Request-Method
Connection
Content-Length
Cookie
,Cookie2
Date
DNT
Expect
Host
Keep-Alive
Origin
Referer
TE
Trailer
Transfer-Encoding
Upgrade
Via
Proxy-*
Sec-*
これらのヘッダは適切で安全な HTTP を保証するため、ブラウザによってのみ制御されます。
POST リクエスト
POST
、もしくは他のメソッドを使ったリクエストを行うには、fetch
のオプションを利用します:
method
– HTTP メソッド, e.g.POST
,body
– 次のいずれか:- 文字列 (e.g. JSON),
FormData
オブジェクト,form/multipart
としてデータを送信する場合,Blob
/BufferSource
バイナリデータを送信する場合,- URLSearchParams,
x-www-form-urlencoded
としてデータを送信する場合。ほとんど使われません。
例を見てみましょう。このコードは、user
オブジェクトを JSON として送信します。:
let user = {
name: 'John',
surname: 'Smith'
};
let response = await fetch('/article/fetch-basics/post/user', {
method: 'POST',
headers: {
'Content-Type': 'application/json;charset=utf-8'
},
body: JSON.stringify(user)
});
let result = await response.json();
alert(result.message);
本文(body)が文字列の場合、Content-Type
にはデフォルトでは text/plain
が設定されることに留意してください。そのため、application/json
を代わりに送信するために headers
オプションを使用しています。
画像を送信する
Blob
や BufferSource
を使用して、バイナリデータを直接送信することもできます。
例えば、ここにマウスを動かすことで描画ができる <canvas>
があります。“submit” ボタンをクリックすると、画像をサーバに送信します。:
<body style="margin:0">
<canvas id="canvasElem" width="100" height="80" style="border:1px solid"></canvas>
<input type="button" value="Submit" onclick="submit()">
<script>
canvasElem.onmousemove = function(e) {
let ctx = canvasElem.getContext('2d');
ctx.lineTo(e.clientX, e.clientY);
ctx.stroke();
};
async function submit() {
let blob = await new Promise(resolve => canvasElem.toBlob(resolve, 'image/png'));
let response = await fetch('/article/fetch-basics/post/image', {
method: 'POST',
body: blob
});
let result = await response.json();
alert(result.message);
}
</script>
</body>
ここでも Content-Type
を手動で設定する必要がありませんでした。なぜなら、Blob
オブジェクトは組み込みのタイプ(toBlob
により生成される image/png
)を持っているからです。
submit()
関数はこのように async/await
なしで書くこともできます。:
function submit() {
canvasElem.toBlob(function(blob) {
fetch('/article/fetch-basics/post/image', {
method: 'POST',
body: blob
})
.then(response => response.json())
.then(result => alert(JSON.stringify(result, null, 2)))
}, 'image/png');
}
サマリ
典型的な fetch リクエストは2つの await
から成ります:
let response = await fetch(url, options); // レスポンスヘッダで resolve する
let result = await response.json(); // 本文を json として読む
もしくは、promise を使った書き方:
fetch(url, options)
.then(response => response.json())
.then(result => /* result を処理する */)
レスポンスのプロパティ:
response.status
– レスポンスの HTTP コード,response.ok
– ステータスが 200-299 の場合true
response.headers
– HTTP ヘッダを持つ Mapライクなオブジェクト
レスポンス本文を取得するメソッド:
response.json()
– レスポンスを JSON オブジェクトとしてパースする,response.text()
– レスポンスをテキストとして返す,response.formData()
– FormData オブジェクト(form/multipart encoding) として返す,response.blob()
– Blob (型付きのバイナリデータ) としてレスポンスを返す,response.arrayBuffer()
– ArrayBuffer (純粋なバイナリデータ) としてレスポンスを返す,
これまでのところ、fetch オプションは次の通りです:
method
– HTTP メソッド,headers
– リクエストヘッダを持つオブジェクト(どんなヘッダも許可されるわけではありません),body
– サブミットする string/FormData/BufferSource/Blob/UrlSearchParams データ。
次のチャプターでは、より多くのオプションとユースケースを見ていきます。