要素が互いに近い場合には DOM ナビゲーションプロパティは役立ちます。そうではない場合、ページの任意の要素はどのように取得できるでしょうか?
そのための追加の検索メソッドがあります。
document.getElementById もしくは 単に id
要素に id
属性があると、document.getElementById(id)
メソッドを使用することで要素が取得できます。
例:
<div id="elem">
<div id="elem-content">Element</div>
</div>
<script>
// 要素を取得
let elem = document.getElementById('elem');
// 背景を赤にします
elem.style.background = 'red';
</script>
また、要素を参照する id
で名前付けされたグローバル変数もあります:
<div id="elem">
<div id="elem-content">Element</div>
</div>
<script>
// elem は id="elem" の DOM 要素を参照します
elem.style.background = 'red';
// id="elem-content" はハイフンがあるので変数名にはできません。
// が、角括弧を使用してアクセスできます: window['elem-content']
</script>
同じ名前の JavaScript 変数を宣言しない限り、この値が優先されます:
<div id="elem"></div>
<script>
let elem = 5;
alert(elem); // 変数は要素を上書きします
</script>
この振る舞いは スペック で説明されているので、標準の1つです。が、主に互換性のためにサポートされています。
ブラウザは JS と DOM の名前空間を混在させることで助けようとします。シンプルなスクリプトであればよいですが、一般的には良いことではありません。名前が衝突する可能性があります。また、JS を見て、HTMLを見なかった場合、変数がどこから来たのかが明白ではありません。
このチュートリアルでは、要素を直接参照するために id
を頻繁に使います。が、それは物事を短く保つためだけです。
実際には、document.getElementById
が好ましい方法です。
id
はユニークでなければなりませんid
は一意でなければなりません。与えられた id
の要素はドキュメント上で1つだけです。
同じ id
を持つ要素が複数ある場合、対応するメソッドの振る舞いは予測できません。例えば、document.getElementById
はランダムで該当する要素のうち1つを返すかもしれません。そのため、id
は一意となるよう注意してください。
document.getElementById
はありますが、anyNode.getElementById
はありませんメソッド getElementById
は document
オブジェクトに対してのみ呼び出し可能です。これはドキュメント全体から指定された id
を探します。
querySelectorAll
最も用途の広いメソッド elem.querySelectorAll(css)
は、指定された CSS セレクターに一致する elem
内のすべての要素を返します。
以下では、最後の子要素となるすべての <li>
要素を探します:
<ul>
<li>The</li>
<li>test</li>
</ul>
<ul>
<li>has</li>
<li>passed</li>
</ul>
<script>
let elements = document.querySelectorAll('ul > li:last-child');
for (let elem of elements) {
alert(elem.innerHTML); // "test", "passed"
}
</script>
任意の CSS セレクタが書けるのでこのメソッドは強力です。
:hover
や :active
のような CSS セレクタの擬似クラスもサポートされています。例えば、document.querySelectorAll(':hover')
はポインタがある要素のコレクションを返します(ネスト順は、最も外側の <html>
から最もネストされたものの順です)。
querySelector
elem.querySelector(css)
は、指定された CSS セレクタの最初の要素を返します。
つまり、elem.querySelectorAll(css)[0]
と同じ結果になりますが、後者は すべての 要素を探し1つを返す、一方、elem.querySelector
は1つだけを探します。なので、処理も速く、記述もより短くなります。
matches
これまでのメソッドは DOM を検索していました。
elem.matches(css) は何も探しません。これは単に elem
が与えられた CSS セレクタに一致するかをチェックし、true
または false
を返します。
このメソッドは、要素(配列か何か)を反復処理し、興味のあるものをフィルタしようとするときに便利です。
例えば:
<a href="http://example.com/file.zip">...</a>
<a href="http://ya.ru">...</a>
<script>
// document.body.children の代わりに任意のコレクションが可能です
for (let elem of document.body.children) {
if (elem.matches('a[href$="zip"]')) {
alert("The archive reference: " + elem.href );
}
}
</script>
closest
要素の 祖先 は、要素の親、親の親、さらにその親などです。祖先は、該当要素から最上部までの親のチェーンを形成します。
メソッド elem.closest(css)
は CSS セレクタにマッチする最も近い祖先を見ます。elem
自身も検索対象に含まれています。
つまり、メソッド closest
は要素(elem
)から上に進み、親をチェックしていきます。セレクタにマッチしたら、検索を止めその祖先を返却します。
例:
<h1>Contents</h1>
<div class="contents">
<ul class="book">
<li class="chapter">Chapter 1</li>
<li class="chapter">Chapter 1</li>
</ul>
</div>
<script>
let chapter = document.querySelector('.chapter'); // LI
alert(chapter.closest('.book')); // UL
alert(chapter.closest('.contents')); // DIV
alert(chapter.closest('h1')); // null (h1 は祖先ではないので)
</script>
getElementsBy*
他にもタグやクラスなどでノードを探すメソッドがあります。
querySelector
のほうがより強力で、短く書くこともできるため、今日、それらはほとんど歴史的な背景により存在するメソッドとなっています。
そのため、ここでは主に完全を期すためにそれらを説明します。古いスクリプトではそらを目にすることがあるかもしれません。
elem.getElementsByTagName(tag)
は指定されたタグの要素を探し、そのコレクションを返します。tag
パラメータは “任意のタグ” としてアスタリスク"*"
が指定可能です。elem.getElementsByClassName(className)
は指定された CSS クラスを持つ要素を返します。document.getElementsByName(name)
は指定されたname
属性を持つ要素をドキュメント全体で返します。めったに使われません。
例:
// ドキュメント上のすべての div を取得
let divs = document.getElementsByTagName('div');
テーブル内のすべての input
タグを見つけましょう:
<table id="table">
<tr>
<td>Your age:</td>
<td>
<label>
<input type="radio" name="age" value="young" checked> less than 18
</label>
<label>
<input type="radio" name="age" value="mature"> from 18 to 50
</label>
<label>
<input type="radio" name="age" value="senior"> more than 60
</label>
</td>
</tr>
</table>
<script>
let inputs = table.getElementsByTagName('input');
for (let input of inputs) {
alert( input.value + ': ' + input.checked );
}
</script>
"s"
の文字を忘れないでください!初心者の開発者は文字 "s"
を忘れることがあります。つまり、getElementsByTagName
の代わりに getElementByTagName
を呼び出そうとします。
"s"
文字は getElementById
にはありません。これは、単一の要素を返すためです。 しかし、getElementsByTagName
は要素の集合を返します。したがって "s"
がつきます。
もう1つ、広く知られている初心者の間違いはこのように書くことです:
// 動作しません
document.getElementsByTagName('input').value = 5;
これは動作しません。なぜならそれは input のコレクションを取得し、その中の要素ではなくコレクション自体に値を代入するためです。
コレクションを反復するか、数値で要素を取得するかを行った後に代入します。:
// 動作します(input がある場合)
document.getElementsByTagName('input')[0].value = 5;
.article
要素を探します:
<form name="my-form">
<div class="article">Article</div>
<div class="long article">Long article</div>
</form>
<script>
// name 属性で見つける
let form = document.getElementsByName('my-form')[0];
// form の内側で class で見つける
let articles = form.getElementsByClassName('article');
alert(articles.length); // 2, class "article" を持つ要素が2つ見つかります。
</script>
ライブ(動的)なコレクション
すべての "getElementsBy*"
メソッドは ライブ(動的)な コレクションを返します。このようなコレクションは常にドキュメントの現在の状態を反映し、変更があったとき “自動更新” されます。
下の例では、2つのスクリプトがあります。
- 最初のスクリプトは
<div>
のコレクションへの参照を生成します。今のところ、その長さは1
です。 - 2つ目のスクリプトはブラウザが1つ以上の
<div>
に会った後に実行するので、その長さは2
です。
<div>First div</div>
<script>
let divs = document.getElementsByTagName('div');
alert(divs.length); // 1
</script>
<div>Second div</div>
<script>
alert(divs.length); // 2
</script>
対照的に、querySelectorAll
は 静的な コレクションです。これは固定要素配列です。
代わりにこれを使った場合、両方のスクリプトは 1
を出力します:
<div>First div</div>
<script>
let divs = document.querySelectorAll('div');
alert(divs.length); // 1
</script>
<div>Second div</div>
<script>
alert(divs.length); // 1
</script>
今その違いを簡単に見ることができます。静的なコレクションは、ドキュメント上に新たな div
の登場の後も増加しませんでした。
サマリ
DOM でノードを検索するための6つの主なメソッドがあります:
メソッド | 何で検索するか | 要素上で呼ぶことが可能? | ライブ(動的)? |
getElementById |
id |
- | - |
getElementsByName |
name |
- | ✔ |
getElementsByTagName |
タグ または '*' |
✔ | ✔ |
getElementsByClassName |
class | ✔ | ✔ |
querySelector |
CSSセレクタ | ✔ | - |
querySelectorAll |
CSSセレクタ | ✔ | - |
最も使われるのは querySelector
と querySelectorAll
ですが、getElement(s)By*
はたまに役立つか、古いスクリプトに含まれています。
その他:
elem
が指定された CSS セレクタに一致するかをチェックするelem.matches(css)
があります。- 指定された CSS セレクタに一致する最も近い祖先を探すための
elem.closest(css)
があります。elem
自身もチェックされます。
また、親子の関係を調べるもう一つの方法をここで言及しましょう:
elemA.contains(elemB)
はelemB
がelemA
の中にある(elemA
の子孫)またはelemA==elemB
の場合 true を返します。