HTML ページのライフサイクルは、3つの重要なイベントを持っています:
DOMContentLoaded
– ブラウザが HTML を完全に読み込み、DOM ツリーは構築されましたが、写真<img>
のような外部リソースやスタイルシートはまだ読み込まれていない可能性があります。load
– ブラウザがすべてのリソース(画像, スタイルなど)を読み込みました。beforeunload/unload
– ユーザがページを離れようとしているとき。
それぞれのイベントが役に立つ場合があります:
DOMContentLoaded
イベント – DOMは準備できたので、ハンドラは DOM ノードを調べ、インタフェースを初期化することができます。load
イベント – 追加のリソースがロードされ、画像のサイズなどが取得できます(HTML/CSSで指定されていない場合)。beforeunload/unload
イベント – ユーザが離れようとしており、ユーザが行ったページ上での変更を保存するかを確認したり、本当に離れたいかを尋ねることができます。
これらのイベントの詳細について見ていきましょう。
DOMContentLoaded
DOMContentLoaded
イベントは document
オブジェクトで発生します。
キャッチするためには addEventListener
を使わなければなりません:
document.
addEventListener
(
"DOMContentLoaded"
,
ready)
;
例:
<
script
>
function
ready
(
)
{
alert
(
'DOM is ready'
)
;
// イメージはまだロードされていません(キャッシュされてない限り), なのでサイズは 0x0 です
alert
(
`
Image size:
${
img.
offsetWidth}
x
${
img.
offsetHeight}
`
)
;
}
document.
addEventListener
(
"DOMContentLoaded"
,
ready)
;
</
script
>
<
img
id
=
"
img"
src
=
"
https://en.js.cx/clipart/train.gif?speed=1&cache=0"
>
例では、DOMContentLoaded
ハンドラはドキュメントがロードされたときに実行され、ページ読み込みは待ちません。したがって、alert
で表示されるサイズはゼロです。
一見すると、DOMContentLoaded
イベントはとてもシンプルです。DOM ツリーが準備できた – ここのイベントです。しかし、特徴はほとんどありません。
DOMContentLoaded と scripts
ブラウザが最初にHTMLをロードし、テキスト中の <script>...</script>
に出くわすと、DOM の構築を続けることができません。すぐにスクリプトを実行する必要があります。そのため、このようなスクリプトがすべて実行された後にのみ DOMContentLoaded
は発生する可能性があります。
外部スクリプト (src
を持つもの) も、スクリプトがロードされ実行されている間はDOM の構築は一時停止します。したがって、DOMContentLoaded
は外部スクリプトも待ちます。
唯一の例外は、async
や defer
属性をもつ外部スクリプトです。これらは、ブラウザにそのスクリプトは待たずに処理を続けるよう言います。なので、ユーザはスクリプトのロードが終わる前にページを見ることができ、パフォーマンスに良いです。
async
と defer
に関する言葉属性 async
と defer
は外部スクリプトに対してのみ動作します。src
がない場合には無視されます。
どちらも、ブラウザにページでの処理をつづけるよう言い、“バックグラウンド” でスクリプトをロードします。その後、ロードできたらスクリプトを実行します。したがって、スクリプトは DOM の構築とページレンダリングをブロックしません。
そららの間に2つの違いがあります。
async |
defer |
|
---|---|---|
順番 | async を持つスクリプトは 読み込んだもの順 で実行します。ドキュメント順は関係ありません – 最初にロードされたものが最初に実行されます。 |
defer を持つスクリプトは常に ドキュメント順 で実行されます。 |
DOMContentLoaded |
async を持つスクリプトは、ドキュメントがまだ完全にダウンロードされていなくても実行されることがあります。これはスクリプトが小さい or キャッシュされており、ドキュメントが十分長い場合に発生します。 |
defer を持つスクリプトは、ドキュメントがロードされ、パースされた後(必要に応じて待機する)に実行されます。DOMContentLoaded の直前です。 |
そのため、async
は完全に独立したスクリプトに対して使われます。
DOMContentLoaded と styles
外部のスタイルシートは DOM には影響しないので、DOMContentLoaded
はそれらを待ちません。
しかし、落とし穴があります: スタイルの後にスクリプトがある場合、そのスクリプトはスタイルシートが実行されるのを待たなければなりません。:
<
link
type
=
"
text/css"
rel
=
"
stylesheet"
href
=
"
style.css"
>
<
script
>
// スクリプトはスタイルシートが読み込まれるまで実行されません
alert
(
getComputedStyle
(
document.
body)
.
marginTop)
;
</
script
>
この理由は、上の例のように、スクリプトが座標や他のスタイルに依存した要素のプロパティを取得したい場合があるためです。当然、それはスタイルがロードされるのを待たなければいけません。
DOMContentLoaded
がスクリプトを待つので、その前のスタイルも同様に待つことになります。
組み込みのブラウザの自動入力
Firefox, Chrome や Opera の自動入力は DOMContentLoaded
で起こります。
例えば、ページがログインとパスワードのフォームを持っていて、ブラウザがその値を覚えていた場合、 DOMContentLoaded
でそれらを自動入力しようとする場合があります(ユーザが許可している場合)。
なので、読み込みに時間のかかるスクリプトによって DOMContentLoaded
が延びると、自動入力もまた待ちます。恐らくあなたもサイトによっては見たことがあるでしょう(ブラウザの自動入力を利用している場合) – ログイン/パスワードフィールドの自動入力がすぐにはされず、ページが完全にロードされるまで遅延があります。実際、それは DOMContentLoaded
イベントまでの遅延です。
外部スクリプトに対して async
や defer
を使う小さなメリットの1つは – DOMContentLoaded
をブロックせず、ブラウザの自動入力に遅延がないことです。
window.onload
window
オブジェクトの load
イベントはスタイルや画像、その他リソースを含めページ全体が読み込まれたときにトリガされます。
下の例では、window.onload
がすべての画像を待つため、画像サイズを正しく表示します。:
<
script
>
window.
onload
=
function
(
)
{
alert
(
'Page loaded'
)
;
// この時、画像はロードされています
alert
(
`
Image size:
${
img.
offsetWidth}
x
${
img.
offsetHeight}
`
)
;
}
;
</
script
>
<
img
id
=
"
img"
src
=
"
https://en.js.cx/clipart/train.gif?speed=1&cache=0"
>
window.onunload
訪問者がページを離れるとき、unload
イベントが window
でトリガされます。そこでは、関連するポップアップウィンドウを閉じるなど、遅延なく何かをすることができます。しかし、別のページへの遷移をキャンセルすることはできません。
そのためには、別のイベント onbeforeunload
を使う必要があります。
window.onbeforeunload
訪問者がページを離れ始めたり、ウィンドウを閉じようとした場合、beforeunload
ハンドラで追加の確認を尋ねることができます。
質問の文字列を返す必要があります。ブラウザはそれを表示します。
例えば:
window.
onbeforeunload
=
function
(
)
{
return
"There are unsaved changes. Leave now?"
;
}
;
下の <iframe>
でハンドラを設定するためにボタンをクリックしてください。その後、そのハンドラの実行を見るためにリンクをクリックしてみてください。:
Chrome や Firefox のような一部のブラウザは文字列を無視し、代わりに独自のメッセージを表示します。これは安全のためであり、潜在的な誤解を招くメッセージやハックしたメッセージからユーザを保護するためにそのようになっています。
readyState
ドキュメントがロードされた後に DOMContentLoaded
ハンドラを設定すると何が起こるでしょうか?
当然、実行されません。
ドキュメントが準備できたかどうかが定かでない場合があります。例えば async
属性を持つ外部スクリプトを読み込み、それが非同期に実行するような場合です。ネットワークに依存して、ドキュメントが完成する前に実行されるかもしれないし、その後かもしれず、定かではありません。従って、我々はドキュメントの現在の状態を知ることができるべきです。
document.readyState
プロパティは我々にその情報を提供します。3つの値を取り得ます。:
"loading"
– ドキュメントがロード中です。"interactive"
– ドキュメントは完全に読み込まれました。"complete"
– ドキュメントは完全に読み込まれ、すべてのリソース(画像のような)も読み込まれました。
なので、 document.readyState
をチェックし、ハンドラを設定、もしくはすでに準備出来ている場合はすぐにコードを実行することができます。
このように:
function
work
(
)
{
/*...*/
}
if
(
document.
readyState ==
'loading'
)
{
document.
addEventListener
(
'DOMContentLoaded'
,
work)
;
}
else
{
work
(
)
;
}
状態が変わったときにトリガされる readystatechange
イベントがあります。なので、次のようにしてこれらの状態を出力することができます。:
// 現在の状態
console.
log
(
document.
readyState)
;
// 状態の変化を出力
document.
addEventListener
(
'readystatechange'
,
(
)
=>
console.
log
(
document.
readyState)
)
;
readystatechange
イベントはドキュメントの読み込み状態を追跡する代替のメカニズムで、それは昔に登場しました。最近ではほとんど使われていませんが、完全性のために説明しておきます。
他のイベントの中で readystatechange
の場所はどこでしょう?
タイミングを見るために、ここではイベントを記録する <iframe>
, <img>
とハンドラを持つドキュメントがあります。:
<
script
>
function
log
(
text
)
{
/* output the time and message */
}
log
(
'initial readyState:'
+
document.
readyState)
;
document.
addEventListener
(
'readystatechange'
,
(
)
=>
log
(
'readyState:'
+
document.
readyState)
)
;
document.
addEventListener
(
'DOMContentLoaded'
,
(
)
=>
log
(
'DOMContentLoaded'
)
)
;
window.
onload
=
(
)
=>
log
(
'window onload'
)
;
</
script
>
<
iframe
src
=
"
iframe.html"
onload
=
"
log
(
'iframe onload'
)
"
>
</
iframe
>
<
img
src
=
"
http://en.js.cx/clipart/train.gif"
id
=
"
img"
>
<
script
>
img.
onload
=
(
)
=>
log
(
'img onload'
)
;
</
script
>
動作例は サンドボックスの中 です。
典型的な出力:
- [1] initial readyState:loading
- [2] readyState:interactive
- [2] DOMContentLoaded
- [3] iframe onload
- [4] readyState:complete
- [4] img onload
- [4] window onload
角括弧内の数値はそれが発生したおおよその時間を示します。実際の時間はもう少し大きいですが、同じ数字でラベル付けされたイベントは、ほぼ同時に発生します(± 数ミリ秒)。
document.readyState
はDOMContentLoaded
の直前にinteractive
になります。これら2つのイベントは実際には同じことを意味します。document.readyState
は、すべてのリソース(iframe
やimg
)がロードされたときにcomplete
になります。ここでは、img.onload
(img
は最後のリソース) とwindow.onload
がほぼ同じ時間に発生していることが分かります。complete
状態にスイッチすることは、window.onload
と同じことを意味します。違いは、window.onload
は常に他のすべてのload
ハンドラの後で動作するということです。
サマリ
ページのライフサイクルイベント:
DOMContentLoaded
イベントは DOM が準備できたときにdocument
上でトリガされます。この段階では要素に対して JavaScript を適用することができます。async
またはdefer
もつ外部のものを除いたすべてのスクリプトが実行されます。- 画像や他のリソースはまだ読み込み中かもしれません。
window
でのload
イベントはページとすべてのリソースがロードされたときにトリガされます。通常はこんなに長く待つ必要はないため、めったに使われません。window
でのbeforeunload
イベントは、ユーザがページから離れたいときにトリガされます。もし文字列を返すと、ブラウザはユーザが本当に離れたいかどうかの質問を表示します。window
でのunload
イベントはユーザが最終的に離れるときにトリガされます。ハンドラの中では遅延やユーザへの質問を含まないシンプルなことのみが可能です。その制限があるので、ほとんど使われません。document.readyState
はドキュメントの現在の状態で、変更はreadystatechange
イベントで追跡することが可能です。:loading
– ドキュメントは読み込み中です。interactive
– ドキュメントはパースされ、DOMContentLoaded
とほぼ同じ時間に発生しますが、その前に発生します。complete
– ドキュメントとリソースが読み込まれました。window.onload
とほぼ同じ時間に発生しますが、その前に起きます。
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