多くのイベントは自動的にブラウザの動作に繋がります。
例えば:
- リンクのクリック – そのURLに行くのを開始します。
- フォーム内のサブミットボタンのクリック – サーバへの送信を開始します。
- テキスト上でマウスボタンを押し、移動させる – テキストを選択します。
JavaScript でイベントを処理している場合、ブラウザの動作は必要ないことがよくあります。幸いにも、それは防ぐことができます。
ブラウザの動作を防ぐ
ブラウザに動作してほしくないと伝える方法が2つあります:
- 主な方法は、
eventオブジェクトを使うことです。メソッドevent.preventDefault()があります。 - ハンドラが
on<event>(addEventListenerではない)を使って割り当てられている場合、そこからfalseを返すだけで実現できます。
下の例では、リンクをクリックしてもURLが変更されません:
<a href="/" onclick="return false">Click here</a>
or
<a href="/" onclick="event.preventDefault()">here</a>
true を返す必要はありませんイベントハンドラによって返される値は通常無視されます。
唯一の例外は – on<event> を使用して割り当てられたハンドラからの return false です。
その他すべての場合、返却は必要とされず何もされません。
例: メニュー
サイトのメニューを考えましょう:
<ul id="menu" class="menu">
<li><a href="/html">HTML</a></li>
<li><a href="/javascript">JavaScript</a></li>
<li><a href="/css">CSS</a></li>
</ul>
ここでは、CSS を使用して次のように見えます:
メニュー項目はリンク <a> でボタンではありません。それは例えば次のようないくつかの利点があります:
- 多くの人は “右クリック” を使うのが好きです – “新しいウィンドウで開く”。
<button>または<span>を使うと、それは動作しません。 - 検索エンジンは、インデックスを作成するとき、
<a href="...">のリンクを辿ります。
なので、私たちはマークアップでは <a> を使います。しかし、通常は JavaScript でクリックを処理することを意図します。だから、デフォルトのブラウザ動作を防ぐ必要があります。
このようになります:
menu.onclick = function(event) {
if (event.target.nodeName != 'A') return;
let href = event.target.getAttribute('href');
alert( href ); // ...サーバからのロード、UIの生成など
return false; // ブラウザ動作を防ぐ (URLへ行きません)
};
もし return false を省略すると、我々のコードを実行した後、ブラウザは “デフォルト動作” を行うでしょう – href の URL を辿ります。
ところで、ここではイベント移譲を使うと、メニューを柔軟にできます。ネストされたリストを追加したり、CSSを使って “スライドダウン” することができます。
さらなるイベントの防止
あるイベントは別のものへと流れます。もし最初のイベントを防ぐ場合、2つ目はありません。
例えば、<input> フィールド上の mousedown は、それにフォーカスし、focus イベントに繋がります。もし mousedown イベントを防ぐ場合、フォーカスは起こりません。
下の最初の <input> をクリックしてみてください – focus イベントが起きます。これは正常です。
しかし、2つ目をクリックした場合、フォーカスはありません。
なぜなら、ブラウザのアクションは mousedown でキャンセルされたためです。input を入力する別の方法を使うと、フォーカスはまだ可能です。例えば、最初の入力から次の入力に切り替えるための Tab キーです。しかしマウスクリックはこれ以上動作しません。
event.defaultPrevented
デフォルトアクションが防がれた場合、プロパティ event.defaultPrevented は true で、それ以外は false です。
興味深いユースケースがあります。
チャプター バブリング と キャプチャリング で event.stopPropagation() について話しましたが、バブリングの停止が悪い理由を覚えていますか?
代わりに、event.defaultPrevented を使用することがあります。
バブリングの停止が必要に見える実践的な例を見てみましょう。しかし、実際にはバブリングを止めることなく上手く行うことができます。
デフォルトでは、contextmenu イベント時(マウスの右クリック)のブラウザは、標準オプション付きのコンテキストメニューを表示します。私たちはそれを防いで、独自のメニューを表示することができます:
<button>Right-click for browser context menu</button>
<button oncontextmenu="alert('Draw our menu'); return false">
Right-click for our context menu
</button>
今、我々のオプションを使用した、独自のドキュメント全体のコンテキストメニューを実装したいとしましょう。そしてドキュメント内には、独自のコンテキストメニューを持つ他の要素がある可能性があります。:
<p>Right-click here for the document context menu</p>
<button id="elem">Right-click here for the button context menu</button>
<script>
elem.oncontextmenu = function(event) {
event.preventDefault();
alert("Button context menu");
};
document.oncontextmenu = function(event) {
event.preventDefault();
alert("Document context menu");
};
</script>
問題は、 elem のクリック時2つのメニューを取得します: ボタンレベルと(イベントがバブルし)ドキュメントレベルのメニューです。
どうやって修正しますか?1つの方法はこのように考えることです: “ボタンハンドラの中でイベントを完全を処理し、それを止める” で、event.stopPropagation() を使います:
<p>Right-click for the document menu</p>
<button id="elem">Right-click for the button menu (fixed with event.stopPropagation)</button>
<script>
elem.oncontextmenu = function(event) {
event.preventDefault();
event.stopPropagation();
alert("Button context menu");
};
document.oncontextmenu = function(event) {
event.preventDefault();
alert("Document context menu");
};
</script>
これで、ボタンレベルのメニューは期待通り動作します。しかしコストは高いです。統計を収集するカウンターなど、外部コードの右クリックに関する情報へのアクセスは永久に拒否されます。 それはまったく賢明ではありません。
代替の解決策は、デフォルトのアクションが防がれたかどうかを document ハンドラの中で、チェックすることです。もしそうであれば、イベントは処理されており、反応する必要はありません。
<p>Right-click for the document menu (fixed with event.defaultPrevented)</p>
<button id="elem">Right-click for the button menu</button>
<script>
elem.oncontextmenu = function(event) {
event.preventDefault();
alert("Button context menu");
};
document.oncontextmenu = function(event) {
if (event.defaultPrevented) return;
event.preventDefault();
alert("Document context menu");
};
</script>
これで、すべて正しく動作します。ネストされた要素を持っており、それらが独自のコンテキストメニューを持っている場合も動作します。ただ、各 contextmenu ハンドラの中で event.defaultPrevented を確認してください。
明らかに分かるように、event.stopPropagation() と event.preventDefault() (return false としても知られている)は2つの異なるものです。それらはお互い関係ありません。
ネストされたコンテキストメニューを実装する別の方法もあります。その1つは、document.oncontextmenu を処理するメソッドを持つ特別なグローバルオブジェクトと、様々な “低レベル” のハンドラをそこに格納できるメソッドを持つことです。
オブジェクトは任意の右クリックをキャッチし、格納されているハンドラを見て適切なものを実行するでしょう。
しかし、コンテキストメニューを必要とする各コードは、そのオブジェクトについて知っていて、自身の contextmenuハンドラの代わりにそのヘルプを使うべきです
サマリ
多くのデフォルトのブラウザアクションがあります:
mousedown– 選択を始めます(選択するにはマウスを移動します)。<input type="checkbox">のclick–inputのチェックON/OFF。submit–<input type="submit">のクリックまたはフォームフィールド内で Enter を押すとこのイベントが発生し、ブラウザはその後にフォームを送信します。wheel– マウスホイールイベントはデフォルト動作としてスクロールをします。keydown– キーの押下はフィールドへの文字の追加、または別のアクションになります。contextmenu– このイベントは右クリックで発生し、アクションはブラウザのコンテキストメニューを表示することです。- …他にもあります…
JavaScriptでイベントを排他的に処理したい場合、デフォルトのアクションをすべて防ぐことができます。
デフォルトのアクションを防ぐには – event.preventDefault() または return false を使います。2つ目の方法は on<event> で割り当てられたハンドラに対してのみ機能します。
デフォルトアクションが防がれた場合、event.defaultPrevented の値は true になり、それ以外は false になります。
技術的には、デフォルトアクションを防ぎ、JavaScript を追加することによって、任意の要素の振る舞いをカスタマイズすることが可能です。例えば、<a> を作り、それをボタンのように動作させたり、<button> をリンク(別のURLにリダイレクトするなど)として振る舞わせることができます。
しかし、一般的には HTML要素のセマンティックな意味を維持するべきです。例えば、<a> はボタンではなくナビゲーションを実行するべきです。
“単なる良いもの” に加えて、アクセシビリティの点でHTMLをより良くします。
また、<a> の例を考える場合、次のことに注意してください: ブラウザはこのようなリンクを新しいウィンドウ(右クリックしたり他の手段で)で開くことができます。そして人々はそれが好きです。しかし、JavaScript を使ってリンクとして振る舞うボタンを作り、CSSを使ってリンクのような見た目にしても、<a> 固有のブラウザ機能は依然として動作しません。
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