DOMの変更は “動的な” ページを作成するための鍵です。
ここでは、新しい要素を “その場” で作成し、既存のページのコンテンツを変更する方法を見ていきます。
例: メッセージを表示
alert
よりも見栄えの良いメッセージをページに追加する方法を見てみましょう。
次のように見えます:
<style>
.alert {
padding: 15px;
border: 1px solid #d6e9c6;
border-radius: 4px;
color: #3c763d;
background-color: #dff0d8;
}
</style>
<div class="alert">
<strong>Hi there!</strong> You've read an important message.
</div>
これは HTML の例です。では JavaScript で同じ div
を作ってみましょう(スタイルは HTML の中、もしくは外部CSSにあるとします)。
要素の作成
DOM ノードを作成するメソッドが2つあります。:
document.createElement(tag)
-
指定されたタグの新しい 要素ノード を作成します:
let div = document.createElement('div');
document.createTextNode(text)
-
指定されたテキストの新しい テキストノード を作成します:
let textNode = document.createTextNode('Here I am');
多くの場合、メッセージのための div
のように、要素ノードを作成する必要があります。
メッセージの作成
メッセージの div の作成は次の3つのステップになります:
// 1. <div> 要素の作成
let div = document.createElement('div');
// 2. クラスに "alert" をセット
div.className = "alert";
// 3. コンテンツをセットします
div.innerHTML = "<strong>Hi there!</strong> You've read an important message.";
これで要素は作成されましたが、今は div
という変数にあるだけで、ページにはまだ挿入されていないため見えません。
挿入メソッド
div
を表示するためには、document
のどこかに挿入する必要があります。例えば、document.body
で参照できる <body>
要素の中です。
そのための特別なメソッドがあります: document.body.appendChild(div)
.
ここに完全なコードを載せます:
<style>
.alert {
padding: 15px;
border: 1px solid #d6e9c6;
border-radius: 4px;
color: #3c763d;
background-color: #dff0d8;
}
</style>
<script>
let div = document.createElement('div');
div.className = "alert alert-success";
div.innerHTML = "<strong>Hi there!</strong> You've read an important message.";
document.body.appendChild(div);
</script>
ここでは、document.body
に対して append
を呼び出しましたが、他の要素の場合でも append
でその中に要素を置くことができます。例えば div.append(anotherElement)
で、<div>
になにかを挿入できます。
その他の挿入方法は次のとおりです。挿入する場所を指定します。
node.append(...nodes or strings)
–node
の末尾にノードまたは文字列を追加します。node.prepend(...nodes or strings)
–node
の先頭にノードまたは文字列を挿入します。node.before(...nodes or strings)
–-node
の前にノードまたは文字列を追加します。node.after(...nodes or strings)
–-node
の後にノードまたは文字列を追加します。node.replaceWith(...nodes or strings)
–-node
を与えられたノードまたは文字列で置き換えます。
これらのメソッドの引数は挿入する任意の DOM ノードのリスト、あるいはテキスト文字列(自動的にテキストノードになります)です。
動きを見てみましょう。
これらのメソッドを使用して、リストに項目を追加し、項目の前後にテキストを追加する例を次に示します。:
<ol id="ol">
<li>0</li>
<li>1</li>
<li>2</li>
</ol>
<script>
ol.before('before'); // <ol> の前に文字列 "before" を挿入します
ol.after('after'); // <ol> の後に文字列 "after" を挿入します
let liFirst = document.createElement('li');
liFirst.innerHTML = 'prepend';
ol.prepend(liFirst); // <ol> の先頭に liFirst を挿入します
let liLast = document.createElement('li');
liLast.innerHTML = 'append';
ol.append(liLast); // <ol> の末に文字列 liLast を挿入します
</script>
これはメソッドがしていることを示す図です:
なので、最終的には次のようなリストになります:
before
<ol id="ol">
<li>prepend</li>
<li>0</li>
<li>1</li>
<li>2</li>
<li>append</li>
</ol>
after
これらのメソッドは1回の呼び出しで複数のノードやテキストのリストを挿入できます。
例えば、これは文字列と要素が挿入されます:
<div id="div"></div>
<script>
div.before('<p>Hello</p>', document.createElement('hr'));
</script>
すべてのテキストは テキストとして 挿入されます。
なので、最終的なHTMLは次のようになります:
<p>Hello</p>
<hr>
<div id="div"></div>
つまり、elem.textContent
が行うように、文字列は安全な方法で挿入されます。
従って、これらのメソッドは DOM ノードまたはテキストを挿入するためにのみ使うことができます。
しかし、仮に elem.innerHTML
のようにすべてのタグやものが動作するよう、 “HTML として” HTMLを挿入したい場合にはどうすればよいでしょう?
insertAdjacentHTML/Text/Element
そのための、別の非常に用途の広いメソッドが使用できます: elem.insertAdjacentHTML(where, html)
。
最初のパラメータは文字列で、elem
を基準にした挿入場所を指定します。次のいずれかでなければなりません:
"beforebegin"
–elem
の直前にhtml
を挿入します,"afterbegin"
–elem
の中の先頭にhtml
を挿入します,"beforeend"
–elem
の中の末尾にhtml
を挿入します,"afterend"
–elem
の直後にhtml
を挿入します.
2つ目のパラメータは “そのまま” 挿入されるHTML文字列です。
例:
<div id="div"></div>
<script>
div.insertAdjacentHTML('beforebegin', '<p>Hello</p>');
div.insertAdjacentHTML('afterend', '<p>Bye</p>');
</script>
…は次のようになります:
<p>Hello</p>
<div id="div"></div>
<p>Bye</p>
これは任意のHTMLをページに追加できる方法です。
これは挿入バリエーションの図です:
これと前の図との類似点は簡単に気づけます。 挿入箇所は実際には同じですが、このメソッドはHTMLを挿入します。
メソッドは2つの兄弟がいます:
elem.insertAdjacentText(where, text)
– 同じ構文ですが、HTML の代わりに “テキストとして” 挿入されるtext
の文字列です。elem.insertAdjacentElement(where, elem)
– 同じ構文ですが、要素を挿入します。
これらは主に構文を “統一的” にするために存在します。実際にはほぼ insertAdjacentHTML
だけが使われます。なぜなら、要素やテキストに対しては、append/prepend/before/after
というメソッドがあるためです – これらはより短く書くことができ、ノード/テキストの部分を挿入することが可能です。
したがって、これはメッセージを表示する別の方法です:
<style>
.alert {
padding: 15px;
border: 1px solid #d6e9c6;
border-radius: 4px;
color: #3c763d;
background-color: #dff0d8;
}
</style>
<script>
document.body.insertAdjacentHTML("afterbegin", `<div class="alert alert-success">
<strong>Hi there!</strong> You've read an important message.
</div>`);
</script>
ノードの削除
ノードを削除するための、node.remove()
メソッドがあります。
1秒後にメッセージを消してみましょう:
<style>
.alert {
padding: 15px;
border: 1px solid #d6e9c6;
border-radius: 4px;
color: #3c763d;
background-color: #dff0d8;
}
</style>
<script>
let div = document.createElement('div');
div.className = "alert";
div.innerHTML = "<strong>Hi there!</strong> You've read an important message.";
document.body.append(div);
setTimeout(() => div.remove(), 1000);
</script>
注意: 要素を別の場所に 移動 させたい場合は、前の場所から削除する必要はありません。
すべての挿入メソッドは自動的に前の場所からノードを削除します。
例えば、要素を入れ替えてみましょう:
<div id="first">First</div>
<div id="second">Second</div>
<script>
// 削除呼び出しは不要です
second.after(first); // #second を取り、その後に #first を挿入します
</script>
ノードのクローン: cloneNode
似たようなメッセージを複数挿入するにはどうすればよいでしょう?
関数を作成してコードを書くことができました。 しかし、別の方法は、既存の div
を クローン し、その中のテキストを変更することです(必要であれば)。
大きな要素があるケースで、この方法がより速くシンプルになる場合があります。
- 呼び出し
elem.cloneNode(true)
は、すべての属性とサブ要素を含む要素の “ディープ” クローンを作成します。もしelem.cloneNode(false)
を呼び出すと、子要素なしのクローンが作られます。
メッセージをコピーする例です:
<style>
.alert {
padding: 15px;
border: 1px solid #d6e9c6;
border-radius: 4px;
color: #3c763d;
background-color: #dff0d8;
}
</style>
<div class="alert" id="div">
<strong>Hi there!</strong> You've read an important message.
</div>
<script>
let div2 = div.cloneNode(true); // メッセージをクローンします
div2.querySelector('strong').innerHTML = 'Bye there!'; // クローンを変更します
div.after(div2); // 既存の div の後に div2 を表示
</script>
DocumentFragment
DocumentFragment
はノードのリストを渡すためのラッパーとして機能する特別な DOM ノードです。
DocumentFragment
へ他のノードを追加することができます。これを挿入する際は代わりにそのコンテンツが挿入されます。
例えば、以下の getListContent
は <li>
のアイテムのフラグメントを生成し、後で <ul>
に挿入されます。
<ul id="ul"></ul>
<script>
function getListContent() {
let fragment = new DocumentFragment();
for(let i=1; i<=3; i++) {
let li = document.createElement('li');
li.append(i);
fragment.append(li);
}
return fragment;
}
ul.append(getListContent()); // (*)
</script>
最後の行 (*)
では、DocumentFragmet
を追加していますが、そのコンテンツが挿入されるので、結果の構造は次のようになります:
<ul>
<li>1</li>
<li>2</li>
<li>3</li>
</ul>
DocumentFragment
は明示的にはめったに使用されません。代わりにノードの配列を返すことができるからです。書き直した例です:
<ul id="ul"></ul>
<script>
function getListContent() {
let result = [];
for(let i=1; i<=3; i++) {
let li = document.createElement('li');
li.append(i);
result.push(li);
}
return result;
}
ul.append(...getListContent()); // append + "..." operator = friends!
</script>
DocumentFragment
について言及するのは、主に、template要素のように、その上にいくつかの概念があるためです。これについては、後で説明します。
古典的な挿入/削除メソッド
歴史的な理由から、“古典的な” DOM 操作メソッドもあります。
これらのメソッドは本当に過去からありました。最近では append
, prepend
, before
, after
, remove
, replaceWith
のようなモダンなメソッドがあり、こちらのほうがより柔軟なので、古いメソッドを使う理由はありません。
ここにこれらのメソッドをリストしているのは、古いスクリプトで目にする可能性があるためです:
parentElem.appendChild(node)
-
parentElem
の末尾の子供としてnode
を追加します。次の例は、新しい
<li>
を<ol>
の末尾に追加します。:<ol id="list"> <li>0</li> <li>1</li> <li>2</li> </ol> <script> let newLi = document.createElement('li'); newLi.innerHTML = 'Hello, world!'; list.appendChild(newLi); </script>
parentElem.insertBefore(node, nextSibling)
-
parentElem
の中でnextSibling
の前にnode
を挿入します。次のコードは、2つ目の
<li>
の前に新しいリスト項目を挿入します:<ol id="list"> <li>0</li> <li>1</li> <li>2</li> </ol> <script> let newLi = document.createElement('li'); newLi.innerHTML = 'Hello, world!'; list.insertBefore(newLi, list.children[1]); </script>
最初の要素として
newLi
を挿入するには、次のようにします:list.insertBefore(newLi, list.firstChild);
parentElem.replaceChild(node, oldChild)
-
parentElem
の子の中でoldChild
をnode
に置き換えます。 parentElem.removeChild(node)
-
parentElem
からnode
を削除します(node
がその子であると想定)。次の例は
<ol>
から最初の<li>
を削除します。:<ol id="list"> <li>0</li> <li>1</li> <li>2</li> </ol> <script> let li = list.firstElementChild; list.removeChild(li); </script>
これらのすべてのメソッドは挿入/削除されたノードを返します。つまり、parentElem.appendChild(node)
は node
を返します。ですが、通常返却値は使用されず、メソッドを実行するのみです。
“document.write” について
もう1つ、webページに何かを追加する非常に古い方法があります: document.write
です。
構文:
<p>Somewhere in the page...</p>
<script>
document.write('<b>Hello from JS</b>');
</script>
<p>The end</p>
document.write(html)
の呼び出しは html
を “すぐにその場で” ページに書き込みます。html
文字列を動的に生成することができるので柔軟性があります。JavaScriptで本格的なWebページを作成し、書き出すことができます。
このメソッドは DOMがなく、標準もないときに出来ました… 本当に昔です。まだ使用しているスクリプトがあるので生きています。
重要な制約があるため、最近のスクリプトで見かけることはほとんどありません。
document.write
の呼び出しはページがロードされている間だけ動作します。
もしその後に呼び出されると、既存のドキュメントのコンテンツが削除されます。
例:
<p>After one second the contents of this page will be replaced...</p>
<script>
// 1秒後に document.write をします
// それはページがロードされた後です、なのでそれは既存のコンテンツを削除します
setTimeout(() => document.write('<b>...By this.</b>'), 1000);
</script>
したがって、上で取り上げたような他の DOMメソッドとは異なり、“ロード後” の段階では利用できません。
それは欠点です。
利点もあります。技術的には、ブラウザがまだ HTML を読んでいる(パースしている)間に document.write
が呼び出され、何かを追加すると、ブラウザは HTML テキストに最初からそこにあったかのように処理します。
これは DOMの修正がないため 驚くほど速く動作します。DOMがまだビルドされていない間、それは直接ページテキストに書き込み、ブラウザは生成時にそれをDOMに挿入します。
なので、HTMLに多くのテキストを動的に追加する必要があり、またページをロードするフェーズであること、速度を考慮する必要がある場合には役立ちます。ですが、実際にはこれらの要件が一緒に来ることは殆どありません。通常、このメソッドを見るときは、単に古いスクリプトだからと言う理由です。
サマリ
-
新しいノードを生成するメソッド:
document.createElement(tag)
– 指定されたタグの要素を作成しますdocument.createTextNode(value)
– テキストノードを作成します(めったに使われません),elem.cloneNode(deep)
– 要素をクローンします。deep==true
の場合、すべての子孫も含みます。
-
挿入と削除:
node.append(...nodes or strings)
–node
の末尾に追加します,node.prepend(...nodes or strings)
–node
の先頭に挿入します,node.before(...nodes or strings)
–-node
の前に追加します,node.after(...nodes or strings)
–-node
の後に追加します,node.replaceWith(...nodes or strings)
–-node
を置き換えます。node.remove()
–-node
を削除します.
テキスト文字列は “テキストとして” 挿入されます。
-
“古典的な” メソッドもあります:
parent.appendChild(node)
parent.insertBefore(node, nextSibling)
parent.removeChild(node)
parent.replaceChild(newElem, node)
これらのメソッドはすべて
node
を返します。 -
指定された HTML の一部:
elem.insertAdjacentHTML(where, html)
,where
に応じて挿入します:"beforebegin"
–elem
の前にhtml
を挿入します,"afterbegin"
–elem
の中の先頭にhtml
を挿入します,"beforeend"
–elem
の中の末尾にhtml
を挿入します,"afterend"
–elem
の後にhtml
を挿入します.
また、類似メソッド
elem.insertAdjacentText
とelem.insertAdjacentElement
があり、それらはテキスト文字列と要素を挿入しますが、めったに使われません。 -
読み込みが完了する前にページにHTMLを追加するには:
document.write(html)
ページが読み込まれた後、この呼び出しはドキュメントを削除します。ほぼ古いスクリプトで見られます。