2019年5月2日

LocalStorage, sessionStorage

Webストレージオブジェクト localStoragesessionStorage では、キーバリューのペアをブラウザに保持することができます。

それらの興味深い点は、そのデータはページをリフレッシュしたり(sessionStorage の場合)、完全にブラウザを再起動しても(localStorage)生きていることです。後ほどすぐに見ていきます。

私たちは、すでに Cookie を持っています。なぜ追加のオブジェクトが必要なのでしょう?

  • Cookie とは違い、Web ストレージオブジェクトはリクエスト毎にサーバへは送信されません。そのため、より多くのものを格納することができます。ほとんどのブラウザは少なくとも2MB以上のデータを許容し、その設定を行う方法を持っています。
  • サーバは HTTP ヘッダ経由でストレージオブジェクトを操作することはできません。JavaScript 内ですべて行われます。
  • ストレージはそのオリジン (domain/protocol/portのセット)でバインドされます。つまり、異なるプロトコルやサブドメインは異なるストレージオブジェクトになり、お互いのデータにアクセスすることはできません。

どちらのストレージオブジェクトも同じメソッドとプロパティを提供しています:

  • setItem(key, value) – key/value ペアを格納する.
  • getItem(key) – key を元に value を取得する
  • removeItem(key) – 指定された key (valueも) を削除する
  • clear() – すべてを削除する
  • key(index) – 指定位置の key を取得する
  • length – 格納されたアイテムの長さ

どのように機能するのか見てみましょう。

localStorage のデモ

localStorage の主な特徴は:

  • 同じオリジンからのすべてのタブとウィンドウ間で共有されます。
  • データは期限切れになりません。ブラウザの再起動やOSの再起動後も残っています。

例えば、このコードを実行した場合…

localStorage.setItem('test', 1);

…その後、ブラウザを閉じて/開く、あるいは別ウィンドウで同じページを開いた後、次のようにしてその値を取得することができます:

alert( localStorage.getItem('test') ); // 1

同じドメイン/ポート/プロトコル上にいるだけでよく、URLパスは異なっていてもかまいません。

localStorage は共有されているので、一方のウィンドウでデータを設定すると、もう一方のウィンドウでその変更を確認できます。

オブジェクトライクなアクセス

平易なオブジェクトを使ってキーの取得/設定をすることもできます。次のようになります:

// キーをセット
localStorage.test = 2;

// キーを取得
alert( localStorage.test ); // 2

// キーの削除
delete localStorage.test;

これらは歴史的な理由から許可されており、ほぼほぼ動作しますが、一般的には2つの理由から推奨されていません:

  1. キーがユーザが生成したものである場合、lengthtoString、あるいは localStorage の別の組み込みメソッドのように、なんにでもなる可能性があります。この場合、getItem/setItem は問題なく動作しますが、オブジェクトライクなアクセスは失敗します:

    let key = 'length';
    localStorage[key] = 5; // Error, can't assign length
  2. storage イベントがあり、これはデータが変更されたときにトリガーされます。このイベントはオブジェクトライクなアクセスの場合には発生しません。これについては、チャプターの後半で見ていきます。

キーをループする

メソッドは get/set/remove の機能を提供します。しかし、すべてのキーを取得する方法はどうやるのでしょう?

残念ながら、ストレージオブジェクトは反復可能ではありません。

1つの方法は “配列ライク” なイテレーションを使うことです。:

for(let i=0; i<localStorage.length; i++) {
  let key = localStorage.key(i);
  alert(`${key}: ${localStorage.getItem(key)}`);
}

もう1つは、オブジェクト固有の for key in localStorage ループを使用する方法です。

これはキーを繰り返し処理しますが、必要のない組み込みフィールドもいくつか出力します。:

// bad try
for(let key in localStorage) {
  alert(key); // getItem, setItem や他の組み込みのものを表示します
}

…なので、hasOwnProperty チェックでプロトタイプからのフィールドをフィルタする必要があります:

for(let key in localStorage) {
  if (!localStorage.hasOwnProperty(key)) {
    continue; // "setItem", "getItem" etc のキーをスキップ
  }
  alert(`${key}: ${localStorage.getItem(key)}`);
}

…あるいは、Object.keys で “自身の” キーを取得し、必要に応じてそれらをループします:

let keys = Object.keys(localStorage);
for(let key of keys) {
  alert(`${key}: ${localStorage.getItem(key)}`);
}

Object.keysはプロトタイプを無視してオブジェクトに属するキーのみを返すので、後者はうまくいきます。

文字列のみ

キーと値は両方とも文字列でなければならないことに注意してください。

数値やオブジェクトのような別の型の場合は、自動的に文字列に変換されます。

sessionStorage.user = {name: "John"};
alert(sessionStorage.user); // [object Object]

オブジェクトを格納するには、JSON が使えます。:

sessionStorage.user = JSON.stringify({name: "John"});

// sometime later
let user = JSON.parse( sessionStorage.user );
alert( user.name ); // John

また、例えばデバッグ目的で、ストレージオブジェクト全体を文字列化することも可能です。:

// オブジェクトを見やすくするために JSON.stringify にフォーマットオプションを追加
alert( JSON.stringify(localStorage, null, 2) );

sessionStorage

sessionStorage オブジェクトは、 localStorage よりも使われることがずっと少ないです。

プロパティとメソッドは同じですが、より多くの制限があります:

  • sessionStorage は現在のブラウザタブ内でのみ存在します。
    • 同じページを持つ別タブは、異なるストレージを持ちます。
    • しかし、タブ内の iframe 間では共有されます(それらが同じオリジンから来ている想定)。
  • データはページ更新後も有効ですが、タブを閉じたり開いたりした場合は無効になります。

実際にそれを見てみましょう。

このコードを実行してください…

sessionStorage.setItem('test', 1);

…次に、ページを更新してください。いまはまだデータを取得することができます。:

alert( sessionStorage.getItem('test') ); // リフレッシュ後: 1

…しかし、別のタブで同じページを開き、そこでもう一度試すと、上のコードは null、“見つからなかった” を返します。

それはまさに sessionStorage がオリジンだけでなく、ブラウザのタブにも結び付けられているからです。そのため、sessionStorage は控えめに使用されています。

ストレージイベント

データが、localStorage あるいは sessionStorage で更新されると、次のプロパティを持つ、storage イベントがトリガーされます。:

  • key – 変更されたキー(.clear() が呼ばれた場合は null)
  • oldValue – 古い値(キーが新しく追加された場合は、null)
  • newValue – 新しい値(キーが削除された場合は null)
  • url – 更新が行われた document の URL
  • storageArea – 更新が行われた場所の localStorage あるいは sessionStorage オブジェクト

重要なことは、それが起きた window を除く、ストレージがアクセス可能なすべての window オブジェクト上でイベントがトリガーされるということです。

詳しく説明しましょう。

想像してみてください、それぞれに同じサイトを持つ2つのウィンドウがあるとします。localStorage はそれらの間で共有されます。

以下のコードをテストするには、このページを2つのブラウザウィンドウで開いてください。

両方のウィンドウが window.onstorage をリッスンしている場合、各ウィンドウは他のウィンドウで行われた更新に反応します。

// 他の document から同じストレージに対して行われた更新をトリガーする
window.onstorage = event => {
  if (event.key != 'now') return;
  alert(event.key + ':' + event.newValue + " at " + event.url);
};

localStorage.setItem('now', Date.now());

イベントには次のものが含まれていることにも留意してください。: event.url、これはデータが更新された document の URLです。

また、event.storageArea はストレージオブジェクトを含みます。イベントは sessionStoragelocalStorage 両方で同じなので、storageArea は変更されたオブジェクトを参照します。変更に “応答” するために、その中に何かを戻すことができます。

これは、同じオリジンからの異なるウィンドウがメッセージを交換することを可能にします。

モダンブラウザは Broadcast channel API もサポートしています。これは同一オリジン内のウィンドウ間のコミュニケーションのための特別なAPIです。これはより多くのことが考慮されていますが、あまりサポートされていません。localStorage に基づいて、そのAPIをどこでも利用できるようにするライブラリ(polyfill)があります。

サマリ

Web ストレージオブジェクト localStoragesessionStorage はブラウザ内にキー/バリューを格納することができます。

  • keyvalue は両方文字列でなければなりません。
  • ブラウザによりますが、制限は 2MB+ です。
  • 有効期限はありません。
  • データはオリジン(domain/port/protocol)にバインドされています。
localStorage sessionStorage
同一オリジンのすべてのタブとウィンドウ間で共有 ブラウザタブ内で見えます。同一オリジンからの iframe も含みます
ブラウザの再起動でも残ります タブを閉じると消えます

API:

  • setItem(key, value) – key/value ペアを格納します
  • getItem(key) – key で値を取得します
  • removeItem(key) – 値と一緒にキーを削除します
  • clear() – すべてを削除します
  • key(index) – 指定位置の key を取得します
  • length – 格納されたアイテムの数
  • すべてのキーを取得するには Object.keys を使います
  • オブジェクトプロパティとしてキーを使うことが可能ですが、この場合、storage イベントはトリガーされません。

ストレージイベント:

  • setItem, removeItem, clear の呼び出しでトリガーします。
  • 操作や document の url、ストレージオブジェクトに関するすべてのデータを含みます。
  • ストレージにアクセスできるすべての window オブジェクト(それを生成したものを除く)でトリガーします(sessionStorage の場合はタブ内、localStorage の場合は全体)。

タスク

変更する毎に値を “自動保存” する textarea フィールドを作成してください。

これにより、利用者がページを閉じ、再度開いたときには、未完了の入力が表示されます。

このようになります:

タスクのためのサンドボックスを開く

チュートリアルマップ

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