2020年1月31日

FormData

このチャプターは HTML フォームの送信について説明します: ファイル有無や追加のフィールドなど。FormData オブジェクトはそれらの場合に役立ちます。

コンストラクタは次の通りです:

let formData = new FormData([form]);

HTML form 要素が提供されている場合、自動的にそのフィールドを捉えます。ご想像のとおり、 FormData はフォームデータを保存したり送信したりするためのオブジェクトです。

FormData に関して特別なことは、fetch のようなネットワークメソッドが、本体(ボディ)として FormData オブジェクトを受け入れることができるという点です。エンコードされ、Content-Type: form/multipart で送信されます。なので、サーバ側から見ると、通常のフォーム送信のように見えます。

シンプルなフォームの送信

最初に、シンプルなフォームを送信してみましょう。

ご覧の通り、ほぼ1行でです。

<form id="formElem">
  <input type="text" name="name" value="John">
  <input type="text" name="surname" value="Smith">
</form>

<script>
(async () => {
  let response = await fetch('/article/fetch-basics/post/user', {
    method: 'POST',
    body: new FormData(formElem)
  });

  let result = await response.json();

  alert(result.message);
})();
</script>

ここでは、サーバーはフォームを使用したPOST要求を受け入れ、 “User saved” と返信します。

FormData メソッド

次のメソッドを使って FormData のフィールドを変更することができます:

  • formData.append(name, value) – 指定された namevalue のフォームフィールドを追加します。
  • formData.append(name, blob, fileName)<input type="file"> のようにフィールドを追加します。3つ目の引数 fileName はファイル名を設定します(フィールド名ではありません)。ファイルシステムでのファイル名です。
  • formData.delete(name) – 指定された name のフィールドを削除します。
  • formData.get(name) – 指定された name のフィールド値を取得します。
  • formData.has(name) – 指定された name のフィールドが存在する場合には true を、そうでなければ false を返します。

フォームは、技術的には同じ name をもつ複数のフィールドを持つことが可能なので、複数の append 呼び出しをすると、その分同じ名前のフィールドが追加されます。

append と同じ構文の set メソッドもあります。違いは .set は指定された name のフィールドをすべて削除し、その後新しいフィールドを追加します。なので、set をした場合、name のフィールドが1つであることを確認してみてください。:

  • formData.set(name, value),
  • formData.set(name, blob, fileName).

また、for..of ループを使用して、formData フィールドを反復することもできます:

let formData = new FormData();
formData.append('key1', 'value1');
formData.append('key2', 'value2');

// key/value ペアをリストします
for(let [name, value] of formData) {
  alert(`${name} = ${value}`); // key1=value1, then key2=value2
}

ファイルを含むフォームを送信する

フォームは常に Content-Type: form/multipart として送信され、このエンコーディングはファイルを送信することが可能です。そのため、通常のフォーム送信と同様に、 <input type="file"> フィールドも送信できます。

これは、そのようなフォームの例です:

<form id="formElem">
  <input type="text" name="firstName" value="John">
  Picture: <input type="file" name="picture" accept="image/*">
  <input type="submit">
</form>

<script>
  formElem.onsubmit = async (e) => {
    e.preventDefault();

    let response = await fetch('/article/formdata/post/user-avatar', {
      method: 'POST',
      body: new FormData(formElem)
    });

    let result = await response.json();

    alert(result.message);
  };
</script>

Blob データを含むフォームを送信する

チャプター Fetch で見てきたように、動的に生成された Blob を送信します(e.g 画像)。fetch パラメータの body に直接指定することができます。

しかし、実際には画像を個別に送信するのではなく、フォームの一部として、“name” や他のメタデータのような追加のフィールドと一緒に送信するのが便利なことが多いです。

また、通常サーバは生のバリナリデータよりもマルチパートエンコード形式を受け入れるのに適しています。

この例は、FormData を使って他のフィールドと一緒に <canvas> からの画像を送信します。:

<body style="margin:0">
  <canvas id="canvasElem" width="100" height="80" style="border:1px solid"></canvas>

  <input type="button" value="Submit" onclick="submit()">

  <script>
    canvasElem.onmousemove = function(e) {
      let ctx = canvasElem.getContext('2d');
      ctx.lineTo(e.clientX, e.clientY);
      ctx.stroke();
    };

    async function submit() {
      let imageBlob = await new Promise(resolve => canvasElem.toBlob(resolve, 'image/png'));

      let formData = new FormData();
      formData.append("firstName", "John");
      formData.append("image", imageBlob, "image.png");

      let response = await fetch('/article/formdata/post/image-form', {
        method: 'POST',
        body: formData
      });
      let result = await response.json();
      alert(result.message);
    }

  </script>
</body>

画像 Blob がどのように追加されているかに注目してください:

formData.append("image", imageBlob, "image.png");

これは、フォームに <input type="file" name="image"> があり、訪問者がファイルシステムから image.png (3番目の引数) という名前のファイルを送信したのと同じです。

サマリ

FormData オブジェクトは HTML フォームをキャプチャして(捉えて)、それらを fetch や他のネットワークリクエストを使用して送信するために使われます。

HTML フォームから new FormData(form) 作成する、あるいは空のオブジェクト作成してから次のメソッドでフィールドを追加することができます。:

  • formData.append(name, value)
  • formData.append(name, blob, fileName)
  • formData.set(name, value)
  • formData.set(name, blob, fileName)

2つの特徴があります:

  1. set メソッドは同じ名前のフィールドを削除します。append は削除しません。
  2. ファイルを送信するには、3つの引数の構文が必要になります。最後の引数はファイル名であり、<input type="file"> の場合、通常はユーザのファイルシステムからとられます。

他のメソッドは次のとおりです:

  • formData.delete(name)
  • formData.get(name)
  • formData.has(name)

以上です!

チュートリアルマップ

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